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アサシン クリードの世界に浸る!
 『アサシン クリード』は、人混みに紛れて監視の目をくぐり抜けながら、アサシン教団(十字軍時代に活躍した暗殺者集団)の一員アルタイルとして任務を遂行するゲームです。舞台は第三回十字軍が派遣された12世紀末のエルサレム周辺で聖地崩壊を招く陰謀を暴く任務を行います。
『アサシン クリード』をもっと楽しむために「アサシン教団」について簡単にご紹介します。

「アサシン教団」とは

 アサシン教団とは、イスラム教・シーア派の分派イスマーイール派に対する幻想的イメージに彩られた中世ヨーロッパ史料および東洋学、文学での呼称です。

神秘主義的カルト教団が存在し、彼らがアッバース朝、セルジューク朝とその諸アターベク政権、十字軍の要人らを狂信的に暗殺していったという伝説が根幹となります。史料的制約から19世紀には東洋学者らによってハシーシュ(大麻)を用いる教団という意味が付加された上で史実として扱われるようになりましたが、20世紀半ば以降、実際のニザール派の活動とは著しく乖離した伝説であることが判明しています。

伝説の起源と流布

 アサシン教団伝説の起源はシリアにおけるニザール派の活動、なかんずく指導的ダーイーであったラシード・ウッディーン・スィナーンとそのフィダーイーたちの活動にあります。フィダーイーとは自己犠牲を厭わぬ者という意味で、スィナーンはシリア・ニザール派の勢力拡大のために彼らを育成し積極的に活用しました。勇猛果敢で、時に暗殺という手段も用いたことから、十字軍に非常に恐れられました。この話は十字軍や旅行者によってヨーロッパにもたらされ、さまざまなラテン語、ギリシア語、ヘブル語などの文献において伝説化されたのであります。当然ヨーロッパではシーア派分派学に相当する知識はなく彼らをニザール派とは同定できず、呼称として用いられたのがスンナ派などによる蔑称Ḥashīshīでした。

12世紀のプロヴァンス詩では、アサシンの自己犠牲的精神を自らの女性に対するそれと比較するものがあり、当初は自己犠牲的集団という意味合いを持っていました。しかしながら、たびたび話が伝わるにつれ、Ḥashīshīの意味はシリアの神秘主義的暗殺教団という意味に転化してゆきます。この段階で、地中海世界に伝えられるハワーリジュ派やカルマト派にかかわる伝説、諸々の神秘主義教団の伝承、さらにヨーロッパ土着の伝承などが混淆されるようになります。14世紀後半にはダンテの「神曲」地獄編第19歌で「奸智にたけた人殺しlo perfido assassin」として殺人の意味として用いられています。